私は生まれつきの天然パーマです。
天然パーマは何かのタイミングで直ったりするといった都市伝説もありますが、私の両親はどちらも天然パーマなので私の汚ない髪に都市伝説なんて通じません。
そんな悩みを抱えながら42歳になってしまいました。ちなみに私は男です。
家族がいて小学生になる娘もいます。
私は中学生くらいから髪の毛を意識するようになりました。
周りの友達が私の汚ない髪を見て笑うからです。からかってくるからです。
中学生の3年間は毎日が地獄でした。
徒歩で通学していたのですが、雨の日はもちろん苦痛なのですが晴れの日でも関係ありません。
ストレートな髪の毛の同級生が、まるで小動物をつつくかのように私の髪をみんなでかきむしってくるのです。
もちろん親を恨みました。
高校生になって私は市販のストレートパーマ液に手を出しました。
パーマ液を手にもってお風呂に入った時、私は長年の苦痛から放たれると思って、まだパーマ液をためしてもいないのに感動していました。
大成功です。
チリチリだった髪の毛が嘘のように真っ直ぐになっているんです。
ほっとしたのかお風呂から上がった私は何故か凄い睡魔が来て熟睡してしまいました。
目が覚めたら夜中でした。
綺麗な髪を見たくて洗面所へ走りました。
そして愕然としたのです。
チリチリした汚ない髪が鏡にうつっていて独特の臭いパーマ臭いがしていました。
その頃はまだ子供だったので何故真っ直ぐにならないのか分かりませんでした。
天パの仕組みを理解していなかったからです。
わらにもすがる想いで試したパーマ液もダメ、明日から始まる学校を目前にしてパニックになっていました。
変な髪型で高校に通学している電車の中で私は物凄い孤独感に襲われていました。
そんな悲しい学生生活をすごして社会人になりました。
それから10年間、私は縮毛矯正に手を出しました。
初めてかけた縮毛矯正、私は泣くほど感動したのを今でも覚えています。
縮毛矯正にたどりつくまで色々な美容室で高いものを売られたり、小馬鹿にされたりしてきたからです。
今でも私は美容室恐怖症です。
汚ない天パの髪で入ったら申し訳ないとも思っていました。
そして38歳のときに思いきって坊主にしました。
それから人生が変わりました。
24時間髪の毛を意識しながら生きてきた私にとって足枷がはずれた気分でした。
しかし、私は天パなので坊主にしてもチリつきます。
天パの運命から逃れることはできません。
もちろん若い頃のように死ぬほど悩んでませんが少しは気になります。
42歳になった冴えないおっさんの私ですが、そんな私にでも髪の毛の悩みはあるのです。